忍者ブログ
みんなで儲けましょう。
【4406】新日本理化
【8103】明和産業

監視
PR
[東京 13日 ロイター] 政府・日銀は東日本大震災後の1年間、景気下振れを回避する「防御」に追われた。史上最大の補正予算や「時間を買う」(白川方明日銀総裁)ための追加金融緩和など、相次ぐ政策対応が景気の底割れを防いだが、一方で成長への取り組みは置き去りとなった。2012年の日本経済は先進国内でも高めの成長が見込まれるが、その実情は復興関連支出など財政出動を中心とした一過性のもの。民需主導の自律成長へうまくバトンタッチできるか、日本経済の本格的な復活に向け、成長戦略の真価が問われる局面に差し掛かっている。
 
  <足踏みした成長戦略>
 
 「大半は結果が出ていないじゃないか」──。2月末に民主党が開催した成長戦略・経済対策プロジェクトチーム(PT)に出席した党幹部は、居並ぶ官僚を前に声を荒げた。政府が新成長戦略に掲げる金融分野施策の進ちょく確認を行った党の会合に各省庁が提出した資料は、大半が実施済みを示す「A」評価。だがそこに、審議会で議論しているだけのプロ向け社債発行・流通市場の整備などの「仕掛品」までが、実施済みとして含まれていたためだ。実施に向けた準備段階を示すB評価の「破産時の財産の取り扱い」に至っては「2年間ずっと準備しているだけ」(党幹部)。震災後の危機対応に追われ続けた政府内では、成長へ向けた具体的な戦略作りが立ち往生しているのが実情だ。
 
 「攻め」の動きがまだ鈍い政府を尻目に、企業はすでに前を見据えて動き出している。ロイターが主要企業400社を対象に行ったアンケート調査では、震災後1年で7割近い企業が海外事業の拡大を検討し始め、その3割超が国内でも事業を拡大させる方針と答えた。しかし、そうした動きに対しても、政府は急成長するアジア太平洋地域の「成長を取り込む」(野田佳彦首相)との掛け声どまり。アジアへ進出した中小企業向けに、現地通貨を調達しやすくする仕組み作りなどは検討項目として与党内でも浮上しているが、海外市場へ挑戦する企業を具体的にサポートする政策は現在のところ、あまり多くない。
 
 全力を注いできたはずの「経済の防御策」も、その進展はまだら模様だ。5000億円規模を投じた立地補助金は対象企業がようやく決まった段階で、先行したエコカー補助金も自動車など関連業界に特需を生み出したが「経済全体へ幅広い波及効果があったかは微妙」(経済官庁幹部)。震災後に進んだ円高を利用し、海外企業や資源買収を促進する円高メリット活用策も、10兆円の実施枠に対して、2月末段階の実績はわずか2000億円。党側の強い要望で実施枠を上積みした活用策だが、関係者の間では「1年間ですべて使い切れるとは思えない」との声がすでに上がり始めている。
 
  <「変質」した日銀、財政深刻で危うい時間稼ぎ>
 
 日銀は2月14日、消費者物価上昇率(前年比)1%をめざす事実上のインフレ目標を導入すると同時に、国債やリスク性資産を買い入れる資産買入基金の10兆円増額を決定した。それまでは景気下振れリスクが高まったと判断した場合に追加緩和を実施してきたが、欧州債務問題の悪化に歯止めがかかって世界経済や金融市場が小康を保つ中、「前向きの動きを金融面から支援」する反転攻勢に打って出た。こうした日銀の「変質」を市場は好感。ドル高/円安の流れを後押しし、日経平均株価の1万円回復をサポートしたことは間違いない。
 
 もっとも、実質的なゼロ金利政策の長期化が見込まれる中で、長期金利さえ1%を割り込んでおり、追加緩和によるさらなる金利の低下余地は限定的。企業の投資意欲を刺激するような金利の大幅な低下は期待できず、過去の量的緩和政策と同様に手探りの中で、基金の残高目標を拡大しているのが実情だ。円安/株高を背景に市場や政界の一部では、日銀による一段の緩和への期待感も根強いが、さらに日銀が資金を放出しても市場の反応がいつまでも良好であり続ける保証はない。欧州債務問題が小康に向かいつつある中、政府・日銀内では世界的な財政問題をめぐり「欧州の次は日本」(国際金融筋)との警戒感がくすぶる。超緩和政策の継続で時間を買っている間に、日本経済の構造改革を急ぐ必要がある。
 
 国際通貨基金(IMF)によると、12年の日本の国内総生産(GDP)見通しは前年比1.7%。低水準ながら、伸び率は先進国トップクラスに位置する。震災復興に伴う財政支出などが押し上げ要因となるが、こうした流れを「民需主導の自律成長につなげることができるか」(政府筋)、今年は政府・日銀ともに正念場を迎える。先出の経済官庁幹部は「(社会保障と税の)一体改革ももちろん必要だが、日本全体の将来の絵姿を示すことが今こそ必要ではないか。成熟した債権国としてどう生き抜くのか、党首討論など開かれた議論を通じ、政治家に『明日』を議論してほしい」と話す。
 
 (ロイターニュース 基太村真司、伊藤純夫:編集 石田仁志)
  次のページ   >>
Admin + Write
ブログ内検索
バーコード
photo by 7s
ブログ [PR]英会話 旅行予約